07. 黒き薄皮まんじゅうの餡子な私

黒い薄皮にぴったりと包まれたその感触は、私自身の境界線をより感度高く明瞭にしていく。
外界と布1枚で隔てられることで、私は確かに「別の私」へと変わる。


内側からうっすらと覗く世界は、黒い布フィルター越しにしか見えない。視界は制約されるはずなのに、その限られた暗がりこそが私の心を昂らせる。外界からやんわりと遮断され、私は未知の感覚へと身を委ねる――背徳的で、同時に心地よい従属性を伴って。

羞恥と高揚が入り混じったこの感覚は、単なる視界の変化以上のものだ。まるで私の内側に眠っていた別の自分が、じっと息を潜めていた扉を開くように――
ほら、赤いリンゴを手にすれば、わたしは何の色味のない真っ黒な訳の分からない存在になったことがよくお分かりになるでしょう。

※この文章はフィクションです。実際の人物や団体などとは関係はありません。

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